国際化と地域化
AngularJSでのi18nとl10n
i18nとl10nとは何か?
"Internationalization(国際的にする)"を省略したi18nは、 プロダクトの開発プロセスにおいて、言語と文化を簡単にローカライズすることが出来るようにする方法のことを指します。 "Localization(地域化)"を省略したl10nは、プリケーション適応のプロセスで、 独自の文化または言語マーケットにおいてのテキストのユーザービリティを有効にします。 アプリケーション開発者のためにアプリケーションを国際的にすることは、 アプリケーション外部の文字列と別の特定ロケール(日付または通貨フォーマットのような)の全てを抽象化することを意味します。 アプリケーションをローカライズすることは、翻訳とローカライズされたフォーマットを提供することを意味します。
現在、Angularはどのレベルでi18n/l10nをサポートしますか?
現在Angularは、 日付、 数値、 通貨のフィルターのi18n/l10nをサポートします。
加えて、AngularはngPluralizeディレクティブによってサポートされる、 国や地域独自の複数形の扱いをサポートします。
Angularの全てのローカライズのコンポーネントは、$localeサービスによって、 管理・設定されるロケールの独自ルールに依存しています。
例やサンプルをすぐに読みたいという読者のために、 Angularの様々なロケールのルールを設定したフィルターの使い方を紹介するWebページがあります。 これらのサンプルはGithub、 またはAngularのdevelopmentパッケージ内のi18n/e2eフォルダー内のどちらかで確認することが可能です。
ロケールIDとは何ですか?
ロケールとは、地域、国家、文化領域を特定するものです。
一般的なほとんどのロケールIDは、言語コードと国コードの2つのパーツから成り立ちます。
例えば、en-US
, en-AU
, zh-CN
は全て言語コードと国コードを持つ有効なロケールIDです。
ロケールIDの国コードの指定は任意であるため、en
、zh
、sk
のようなロケールIDもまた有効です。
ロケールIDの使用についてより詳しい情報が必要であれば、
ICUのWebサイトを参照してください。
Angularによるロケールのサポートでは、Angularは数値と日付のフォーマットルールを異なるファイルに分け、各ファイルに独自ロケールを設定しています。 現在サポートされているロケールのリストは、 ここから見つける事が出来ます。
AngularJSへのロケールの提供
Angularにロケールのルールを提供するアプローチは2つあります。
1. 予めルールを設定
希望する特定のロケールファイルをangular.jsまたはangular.min.jsファイルの末尾に連結してしまうことで、 予めバンドルすることが可能です。
例えば、下記のようにすることで、UNIX系のOS上でドイツのローカライズルールを含むangular.jsファイルを作成する事が可能です。
cat angular.js i18n/angular-locale_de-de.js > angular_de-de.js
通常のangular.jsスクリプトが開始するものの代わりにangular_de-de.jsスクリプトを含んだアプリケーションは、 自動的にドイツのロケールのルールでローカライズされた設定を行います。
2. index.htmlページにロケールjsスクリプトを含める
index.htmlページにロケールを特定するjsファイルを含める事も可能です。 例えば、もし顧客の1人がドイツのロケールを必要とするのであれば、 下記のようなindex_de-de.htmlを提供します。
<html ng-app>
<head>
….
<script src="angular.js"></script>
<script src="i18n/angular-locale_de-de.js"></script>
….
</head>
</html>
2つのアプローチの比較
上記で説明した両方のアプローチは、 アプリケーションをローカライズするロケール毎の異なるindex.htmlページまたはjsファイルを準備しておく必要があります。 また、サーバーが対応するロケールの正しいファイルを提供するように設定する必要もあります。
しかしながら、2つ目のアプローチ(index.htmlページ内にロケールのjsスクリプトを含める)は、 追加のスクリプトファイルを読み込む必要があるため、遅くなりがちです。
落とし穴
通貨シンボルの落とし穴
Angularの通貨(currency)フィルターは、 ロケールサービスが提供する通貨シンボルをデフォルトで使用できるようにし、 またカスタマイズした通貨シンボルのフィルターを提供することも可能です。 もし、アプリケーションが1つのロケールでしか使用されないのであれば、デフォルトの通貨シンボルを当てにするのが良いでしょう。 ただし、もし他のロケールの閲覧者がアプリケーションを使用するかもしれないのであれば、 実際の値として理解されることを確実にするために、自身の通貨シンボルを提供すべきです。
例えば、もし1000ドルの勘定残高を{{ 1000 | currency }}
のように通貨フィルターに紐づけて表示をしたいとします。
この時、アプリケーションのロケールはen-US
だとします。
すると、'$1000.00'が表示されます。
ただし、もし異なる地域(例えば日本)の誰かが、このアプリケーションを表示すると、
彼女のブラウザにはja
としてロケールが指定されており、代わりに'¥1000.00'の残高が表示されてしまいます。
これでは完全に顧客の信頼を失ってしまいます。
こういったケースでは、フィルターを設定する際に、例えばUSD$1,000.00のように、 パラメータに通貨シンボルを含めた通貨フィルターを提供することによって、 デフォルトの通貨シンボルを上書きする必要があります。 こうすることで、Angularは常に'USD$1000'の残高を表示するようになり、ロケールの変更を気にする必要が無くなります。
単位の翻訳変換での落とし穴
翻訳される文字列/日付のフォーマットの長さや単位には、多種多様なものがあることに注意しておいてください。 例えば、"June 3, 1977"をスペイン語に翻訳すると、"3 de junio de 1977"になります。 他にも、もっと極端なケースが存在します。 そのため、アプリケーションを国際的にする際に、 UIコンポーネントがはみ出したりすることがない様にテストして、それに応じてCSSルールを適用させる必要があります。
タイムゾーン
Angularの日付フィルターはブラウザのタイムゾーンの設定を使用することに注意してください。 そのため、同じアプリケーションでも、実行されているコンピューターに設定されたタイムゾーンに依存した異なる時間情報を表示します。 現在、JavascriptもAngularも、開発者によって指定されたタイムゾーンの日付を表示するようにサポートすることは出来ません。
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